仕事がデキる人が実践している仕事術。人を動かす方法、人に動いてもらう方法

私が新入社員だった時の上司は、会社の同期の中で出世競争のトップを走っているような仕事のデキる人でした。どうやればそんなに仕事がデキるのだろう?疑問に思った私は思い切って聞いてみました。すると上司は予想外の言葉を放ちました。「カマエくん、それはな、仕事をさばくことだ。他の人にふるんだよ」えっ!自分でやるんじゃないんだ!それは目から鱗のアドバイスでした。

仕事の多くは共同作業です。みなさんの職場でも会社が大きくなればなるほど部・課・チーム・グループの数が増えてきて、自分の所属するセクションだけではなく他のセクションの人に何かを頼む場面も多くなってくるでしょう。私の上司は仕事を他人にふる達人だったのです。

しかし、単にふればよいというものではありません。他の人にいかに気持ちよく自分の意向通りに仕事を手伝ってもらえるか。それが重要なポイントとなります。うまく頼めなければ、結局、自分で仕事を抱えてしまうことになり時間も労力もかかりますし、他人にふってそれがうまく進まなければ、逆にストレスになってしまいます。

今日は、仕事でまわりの人に動いてもらう方法、もっといやらしくいえば、他人を上手に使う方法をお教えします。

1. 暇そうな人を狙え!
2. 簡単だから手伝って!
3. 重要なんですよ!
4. やりたそうな人を狙う!
5. あの人なら!

1. 暇そうな人を狙え!

ほとんどの人は「時間があれば手伝ってあげてもよいよ」と思っています。逆に言えば他の仕事で忙しくしている相手は、対応してあげたいと思っていても対応できない場合が多いということです。そこで相手にとって良いタイミングを見つけ、そこを狙ってお願いするのがポイントになります。注意すべきは、次のようなタイミングは避けたほうが良いということです。

年度や半期の計画や予算を作成しているタイミング。月末や月初に作業が多い部署の場合。週の決まった曜日や時間に定例会議がある時。仕事を切り上げて帰ろうとしている夕方とか、昼休みの前とかは避ける。研究開発やプロジェクトベースで仕事をしている人にはプロジェクトの締め切り直前のタイミングは避ける。こういったタイミングを外せば、頼みやすいということになります。

2. 簡単だから手伝って!

お願いされた内容が簡単で、すぐできそうだと思ってもらえれば動いてもらいやすいでしょう。逆に言えば複雑で大変そうな作業は断られるということです。ここで注意すべき点は「簡単」か「難しい」かという判断は、主観的だということ。同じ依頼内容であっても、お願いの仕方や伝え方次第で印象が変わるので、簡単だと思わせて対応してもらうのがコツです。簡単だと思ってもらう4つのコツを紹介します。

1)依頼内容を明確に伝える。例えば、結論から伝える、依頼事項の数を伝える、ゴールイメージが湧くように伝える、最初にやってもらうアクションを伝える。

2)相手の立場に立って伝える。私はあなたのことを理解していますよ、という風に伝えれば相手も依頼に乗りやすいのです。相手の仕事の状況をイメージしたり、相手の都合や状況を先に聞いたり、相手にとってなじみのある言葉を使ったり、相手の仕事に関連するプロセスにそって説明する。そうすれば、簡単そうだというイメージを持ってもらえます。

3)相手にとっての負担を少なくする。そうすれば相手は隙間時間を使って行動してくれるかもしれません。作業時間を減らす工夫をする、作業工程を減らす、簡単なパートだけ頼む、これがコツです。

4)相手への負担を少なくしたことをアピールする。これだけのことをやりやりたいんだけれども、あなたはココだけ行ってもらえば助かります、という風に他のメンバーとの仕事量を比べてあなたの負担は減らしたんですよ、という風に伝えれば、手伝ってもらえる確率が高くなるでしょう。

3. 重要なんですよ!

3番目は重要だからという伝え方です。人は自分にとって重要なことならば実行します。裏を返すと重要度が低いものは無視されるということです。重要度が高い仕事であるかどうかを左右するのは、仕事の内容ももちろんそうですが、伝え方によるところも大きいのです。それによって手伝ってもらえるかどうかが決まるということです。相手にどう伝えるか、2つのパターンをお教えします。

1)相手の悩みや課題を考えて、これによって悩みや課題が解消されます、これによって何々が達成できます、という風に伝える。あくまで相手にとってメリットがある、というようない言い方をするということです。

2)誰がどう助かるか、ということを強調する。1)は相手自身のメリットを伝えたのですが、今回は相手にとって大切な人、たとえば相手の上司とか相手の同僚とか相手のお客様とか、その人たちにとってこんなメリットがあるんですよという言い方をするわけです。「これによって上司の〇〇さんが〇〇できるようになりますよ」とか「これによってお客さんの◯◯さんのメリットになりますよ」とか。

4. やりたそうな人を狙う!

この仕事は高度なスキルが必要だということをアピールし、あなたしかできないとハッキリは伝えて、その人のモチベーションにそった伝え方をするということです。人は感情の動物です。モチベーションが高い時には行動するし、モチベーションが上がらない時は行動しません。相手がこの仕事をやりたいなと思うように動機付けできれば、協力してもらえる可能性は高くなります。ただしモチベーションが上がるポイントは個人によって違うので、相手のモチベーション・スタイルは何かということを知る必要もあります。まず、一般的にどんな人でもモチベーションが上げるテクニックが2つがありますので、それをご紹介します。

1)この仕事は高度なスキルが必要だという風にアピールすること。これによって相手は、高度なスキルの持ち主であると自己認識するわけですから、当然教えてやろう、という風になるわけです。

2)あなたしかできないとはっきり伝えるということです。誰もが自分は必要とされていると思いたいものです。スペシャリストに仕事をお願いする時には、このテクニックはとても重要です。

その人のモチベーションが上がるポイント、それは「モチベーション・スタイル」と言って良いと思います。モチベーション・スタイルは9つのタイプがあります。ここで簡単に紹介いたしましょう。

タイプ1:理想追求型
あるべき姿に近づきたい、パーフェクトでありたいという風に思っている人。星一徹タイプの人ですね。質の高い重要な仕事を任せて、それができる人である、という言い方をすれば良いでしょう。

タイプ2:援助追求型
人間関係を大切にしたい、愛情深く信頼できる人だと思われたい、という人。ドラえもんタイプの人ですね。この人は、他の人に必要とされたり、頼りにしているんだということを伝えると良いでしょう。

タイプ3:目標達成追求型
目標を達成し認められ大成功し賞賛されたいという人。峰不二子タイプですね。この人には目の前にわかりやすいゴールを提示しそれをお任せします、といった感じで伝えると良いでしょう。

タイプ4:独創性追求型
自分らしくありたい、深い感情を味わいたいという人です。スナフキンタイプの人ですね。自分にしかできない個性を求められ、認められる仕事をやりたいという風に思っていますので、時間をかけてきちんと話をし、話を聞き、一方的に押し付けるのではなく自由に仕事をしてもらうという頼み方が良いでしょう。

タイプ5:分析追求型
情報を集めて考えたい、理解したい、意味のないことは避けたいという論理型の人です。名探偵コナンタイプですね。仕事を任せるときにはその人のやり方を尊重し、途中経過に立ち入らず、時間を十分与えるやり方が良いでしょう。

タイプ6:安心追求型
組織の良い人でいたい、安心で安全だと感じられる場を与えられるとモチベーションが上がる人。マスオさんタイプですね。方向をキチンと示して、マメに報告をしてもらい、しっかり認めてあげるという頼み方がよいでしょう。

タイプ7:楽しさ追求型
楽しくありたい、未来の可能性や自由を大切にしたいという人。サザエさんタイプです。とにかく面倒なことは嫌いで楽しくやりたい人なので、突発的な業務も含めて新しいプロジェクトを任されると非常に力を発揮します。

タイプ8:実行追求型
自分の正義を貫きたい、力を感じたいという人。ジャイアンタイプですね。人の面倒は見るけど対立する人には立ち向かっていくという人ですから、細かいことは抜きにして任せる。難しい仕事でも率直にはっきり伝えるとよいでしょう。

タイプ9:調和追求型
安定していたい、マイペースで平和に暮らしていたいと思うような人。ウルトラマンタイプです。マイペースでじっくり取り組める仕事をお願いするのが良いでしょう。自分のペースでやっていいよ、みんなと仲良くやろうね、というような頼み方がベストです。

5. あの人なら!

あの人なら、の「あの人」とは、あなたのことです。最終的に人を動かすのに一番有効なのは、「あの人を助けてあげたい」と思ってもらえることです。これはすぐには実現できないかもしれません。少し時間がかかるかもしれません。でも今から1つ1つ積上げていけば必ずあなたの財産にになります。信用残高がどんどん増えていく、ということです。ここで3つの実践ポイントを紹介します。

1)誠実で信頼できる人物であろうとする
マナーが良くて親切だと思ってもらえるようになること。約束を守り、時間を守り、遅れそうな時は必ず連絡を入れること。こういう信頼関係をひとつひとつ作っていくことです。

2)人間的なつながりを作る
人は自分の存在を大切にしてもらいたい、関心を持ってもらいたい、好かれたい、承認されたい、という欲求を持っています。仕事を頼む前にその人の仕事以外のこと、最近の出来事とか体調とか趣味とか様々なことに興味を持ってコミュニケーションしていると、親近感を持ってくれます。相手のことに興味を持つということです。

3)先に与える、そして次に受け取る
英語ではPay forwardと言います。これを実践している人は、人から信頼されます。普段からちょっとした気遣いや配慮、思いやりを与えている人は、いざという時に回りの人が助けてくれます。それが仕事であっても。


今回は、仕事でまわりの人に動いてもらう方法をお伝えしました。

相手もみな自分の仕事を持って動いています。仕事を頼むということは、相手の時間を貸してもらうことでもあります。そう考えれば、配慮のある頼み方をするのが当たり前ですよね。それができない人は、おそらく仕事ができない人だと思います。

まわりに配慮できて、まわりの人を動かせる人は女性にもモテます。あなたは、ぜひ仕事もできるて、モテる人になってほしいと思っています。

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