婚活男子は共感力が低い?なぜ?男はどうすれば良い?

オキシトシンとテストステロン

オキシトシンというホルモンがあります。これは愛と信頼のホルモンとして知られています。
オキシトシンは脳内で信号を送る神経伝達物質と血液中でメッセージを運ぶホルモンの両方の働きを持っています。このホルモンは、陣痛の始まりと授乳時の乳汁の流れを制御しているホルモンでもあります。つまり女性が多く持っているホルモンということです。そして共感する力や親子の愛着に関係しているということも分かっています。

テストステロンというホルモンがあります。男性ホルモンとも言われています。競争や攻撃性と結びついており、戦闘モードになる時にこのホルモンが分泌されます。実はテストステロンはオキシトシンを抑制する効果があるということが最近分かってきました。男はテストステロンが多いので、オキシトシンを抑制してしまいます。女性のオキシトシンの量に比べて、20分の1以下というデータもあります。

つまり、共感する女と競争する男という性差はここから説明できるのです。この性差について実験で確かめた例を紹介しましょう。

男はズルい!自分だけ良ければ良いのか!

行動経済学などでは社会性を研究する際に使われる手法の一つに公共財ゲーム(信頼ゲーム)というものがあります。

プレイヤーは投資家と運用者に分かれ、それぞれ1000円ずつ渡されます。
投資家はその1000円の中から、任意の金額を運用者に投資することができます。
運用によって投資額は例えば3倍に増えるとします。
運用者はその利益のうちから任意の額を投資家に返却できます。
双方が最も大きな利益を得られるのは、投資家が1000円全額を運用者に投資し、運用者が増えた資産を折半する場合です。
投資した1000円は3倍の3000円に増え、最初の1000円を加えて運用者の資産は4000円になります。
それを二人で分け合います。投資家の1000円は2000円になり、運用者の1000円も2000円になリます。つまり2人とも2倍に増えるというわけです。

あなたも気付いたかもしれませんが、運用者にはもっとオイシイ方法があります。
運用で増えたお金を一切投資家に返却しなければ4000円のボロ儲けになるわけです。
投資家はもちろんこのリスクを承知していますから、自分の取り分を確保しておこうとするでしょう。しかし投資金額が少ないとその分運用に回すお金は減ってしまうので、結果的に2人とも損をすることになるわけです。

さて、この公共財ゲームでは男と女で大きな差が生まれてしまうことがわかりました。
なんと、男の運用者は、資産の25%しか投資家に返しませんでした。
しかし、女の運用者は、ほぼ折半の42%を返したのです。
さらにいうと、投資家に10パーセント未満しか返さない最低な奴は、男が24%(4人に1人)だったのに対し、女は7%(10人に1人もいなかった)だったのです。

この性差は、オキシトシンとテストステロンが関係しているらしいということが分かっています。(この実験ではオキシトシンやテストステロンの嗅がせて実験した結果もあるのです)

女と男の共感力には大きな差がある

女の共感力の平均値と男の共感力は、1標準偏差以上違っているといわれています。
つまり、女性間で平均的な共感力の女からすれば、男性間で平均的な共感力の男は明らかに共感力がないと見えてしまうのです。男から見れば逆で、男性間で平均的な共感力の男が、女性間で平均的な共感力の女を見た場合、相手の共感ポイントを理解できない、ということになるのです。

女性から見れば付き合う男の多くが、共感力が低いといふうに思えるでしょう。なんであの人は私の気持ちがわからないの、という感覚を持ってしまうということです。

男からすると、付き合う女の多くが、自分に対して共感力を過剰に求めているように感じられるでしょう。なんだか知らないけどすぐに泣くとか、訳が分からないことで責められるとか。しかし、このような背景には男女の共感力の性差があるというふうに考えれば納得がいくのではないでしょうか。

共感力がない男の対処のしかた

婚活において、この共感力の差をどのように扱えば良いのでしょうか。

まず共感力がない男は、女性は自分よりもはるかに高い共感力があると理解すること。だから女性が腹を立てたり感情的になっている原因は、全て自分にあるのだと気づくこと。それは自分が気づいていない部分である、と素直に思うことです。間違っても、それで腹を立てたり、女性を責めたり、無視したりしてはいけません。どうしても思い当たる節がなければ、素直に彼女にたずねましょう。相手に素直に「聞く」という態度が大事です。女は火星人だとか言って、まるで違う星の生き物のように思うのではなく、自分よりも高度な能力(共感力)を持っているのだ、というふうにリスペクトする態度が大事になってきます。そのことを、きちんと女性に伝えれば納得してくれるでしょう。

また女性は「男は共感力が低い生き物である」と理解し、「なぜわかってくれないのだろう、なぜそんな感じなのだろう」と思ってイライラせず、一歩下がって冷静になって見てあげれば良いのではないかと思います。それは「〇〇さんだから」という個人的な問題ではなく、男性という性の差であるから仕方がないと思えば、たとえ男がわけのわからない言動や行動を取ったとしても、許せるのではないでしょうか。

最後に、男女ともに重要なことをお伝えします。

それは「共感」の意味を正しく理解しましょう、ということです。

共感とは「相手におきていることを受け止める」ことです。

共感力の高い女性でも誤解をしていますが、共感と、同感・同情・同意・理解は違います。同感や同情は、相手に自分を同調させようとする行為です。自分自身が相手に染まってしまうことになってしまいます。乗っ取られてしまうわけです。「あなたは黄色ですね。では私も黄色になりましょう」ではダメなのです。あくまであなたはニュートラルでいる必要があります。

たとえば友人が「あの上司のせいでこうなった、腹が立つ」と言ったとします。でもあなたがいっしょになって同情して、その上司にハラをたてる必要はありません。
「あなたはこういう感じ方をしているんですね、受け止めましたよ」
というのが共感です。このようなあなた自身の「あり方」をしっかり持っておく必要があります。

相手が思考停止にならず、問題解決の糸口や次なる行動について考え続けることができるようになってもらうには、共感することは必要ですが、同情ではダメなのです。

問題を自分の意思でコントロールするということが大事です。これはなにも、落ち込んでいる友人に対してだけの話ではありません。あなた自身にもいえることです。〝運命の主人公になる〟のはあなた自身ですから。

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